「マイクロチップは義務化された」と聞いたけれど、自分も対象なのか分からず困っていませんか。
そんなときは、まず自分のペットをどう迎えたかを確かめ、義務か努力義務かを見分けることが大切です。
迎え方(購入・譲渡・保護)によって、チップの装着や登録が義務かどうかが変わるからです。
この記事では、義務と努力義務の見分け方から、マイクロチップの大きさや入れ方、危険性、手続きのやり方(画面つき)までを整理します。
読み終えれば、自分が何をすればいいか分かり、そのまま手続きの画面へ進めます。まずは3つの迎え方から、自分に当てはまるものを確かめましょう。
手続きのやり方だけ知りたい方は、こちらから画面つきの手順へ進めます。
目次
マイクロチップ登録は義務?
努力義務?
ワンちゃん・猫ちゃんを買ったか、前から飼っているか、保護したかで、義務か努力義務かが決まります。自分の迎え方に当てはまる項目を1つ読めば、今やる手続きが分かります。

購入・譲渡は
「変更登録」が義務
ペットショップやブリーダーから買った場合や、知人から譲り受けた場合は、飼い主の変更登録が義務です。2022年6月1日から、販売する犬や猫にマイクロチップを入れて登録することが、販売業者に義務付けられました。そのため、お店から迎えた子には、すでにチップが入っています。ただし、登録されている飼い主はお店のままです。迎えてから30日以内に、自分の名前へ変更登録をしましょう。変更登録は、犬や猫の飼い主の手続一覧から申し込めます。手数料や申請の具体的な流れは、このあと画面つきで説明します。
すでに飼っているなら努力義務
2022年6月1日より前から飼っているワンちゃん・猫ちゃんなら、マイクロチップを入れるかどうかは努力義務です。入れていなくても、罰則はありません。チップの入っていない子を知人から譲り受けた場合も、同じく努力義務です。環境省は、マイクロチップを迷子や災害など「もしも」のときの備えとして案内しています。ただし、新しく入れた場合は、その時点から登録が義務になります。入れるかどうか迷うときは、このあとの大きさと入れ方、危険性の説明を読んでから決めましょう。
保護した場合も努力義務
野良の犬や猫を保護して家族に迎えた場合も、マイクロチップを入れるかどうかは努力義務です。保護団体や自治体から譲り受けた子には、すでにチップが入っていることもあります。その場合は、一緒に受け取るのが「登録証明書」か「装着証明書」かで、手続きが変わります。新しく入れたときは、入れてから30日以内の登録が義務です。手続きの流れは、このあと画面つきで説明します。
手続きのやり方だけ先に見たい方は、画面つきの手順へ進めます。
マイクロチップの
大きさと入れ方
マイクロチップは直径約1.4mmの小さな筒で、動物病院で肩の後ろの皮ふの下に入れます。形、入れ方、電池、費用の4つを、写真と一緒に確かめましょう。
直径約1.4mmの小さな筒
マイクロチップは、世界で1つだけの15桁の番号が記録された、筒の形をした小さな部品です。環境省の案内では、大きさは直径1.4mm、長さ8.2mmです。資料によって少し違い、日本獣医師会は直径1.2mm、長さ8mm程度と説明しています。外側は、体になじむガラスや樹脂で覆われています。チップに入っているのは番号だけです。動物病院でもらう装着証明書にも、バーコードの下にこの15桁の番号が書かれています。飼い主の名前や住所はチップには書き込まれず、環境省の登録サイトの側に記録されます。

動物病院で肩の後ろに入れる
マイクロチップは、動物病院で入れます。入れるのは獣医師、または獣医師の指示を受けた愛玩動物看護師です。肩甲骨の間の少し後ろの皮ふをつまみ、専用の注入器を使って、皮下注射と同じ要領で入れます。環境省の資料では、埋め込むだけなので素早く終わると説明されています。犬は生後2週、猫は生後4週ごろから入れられると言われています。入れたら、獣医師から「マイクロチップ装着証明書」を受け取ります。登録には、この証明書が要ります。福岡市のように、不妊・去勢手術と同時に入れる費用の一部を助成する自治体もあります。

電池はなく一生入れたまま
マイクロチップには電池がありません。GPSのように自分から電波を出すことはなく、専用のリーダーが出す電波に反応して、番号を送り返す仕組みです。電源が要らないため、一度入れれば一生交換しなくてよいと言われています(日本獣医師会)。充電や取り替えの手間もかかりません。引っ越しや飼い主の変更があっても、チップはそのままです。書き換えるのは、登録サイトにある情報だけです。環境省は、首輪や名札のように外れ落ちる心配がない点を、マイクロチップの良さとして挙げています。
装着の費用は病院ごとに違う
マイクロチップを入れる費用は、動物病院ごとに違います。日本動物愛護協会は、数千円から1万円程度と案内しています。この費用は、登録サイトに払う手数料(400円)とは別にかかります。金額は病院によって変わるため、入れる前に病院で聞いておくと安心です。全部でかかるお金は、入れる費用に登録の手数料400円を足した額です。自治体によっては、入れる費用を補助しています。補助をしている自治体は、環境省のマイクロチップ情報登録のページで探せます。
マイクロチップに
危険性はある?
重い副作用の報告はごくまれですが、「体の中で動く」「入れた直後に抜ける」「まれに故障する」は起こりえます。何が起きるかと、飼い主がどう気づけるかを確かめておきましょう。
重い副作用の報告はごくまれ
世界小動物獣医師会は、マイクロチップを入れて得られる利益は、健康上の危険をはるかに上回ると結論付けています。日本獣医師会も、この見解を載せています。予防接種では、まれにアナフィラキシーショックという強いアレルギー反応が起きます。一方、マイクロチップを入れたことで起きたという報告はありません。入れた場所に腫瘍ができた報告もごくまれです。英国の報告制度では、チップを入れた約370万頭のうち、報告は2件でした。報告が少ないというだけで、危険がゼロという意味ではありません。
体の中で少し動くことがある
マイクロチップは、入れた場所から皮ふの下を動き、肘や脇腹のあたりまで移ることがあります(環境省ガイドライン)。そのため、読み取る側は肩の後ろだけでなく、体全体にリーダーを当てて探します。入れる位置が決まっているのも、体の中での影響を少なくするためです。肩甲骨の間の少し後ろ、少し左寄りに入れると、MRIなどの検査への影響が少なくなります。背骨の突起にも触れにくくなります。チップが動いたかどうかは、外から見て分かるものではありません。気になるときは、動物病院でリーダーを当ててもらいましょう。
入れた直後は抜け落ちに注意
マイクロチップが抜け落ちるのは、入れてから24時間以内が多いと言われています(環境省ガイドライン)。入れた日は、入れた場所から血が出ていないか見てあげましょう。血が出ていたら、乾いた綿を当てて1〜2分ほど軽く押すと止まります。病院では入れた後に、血が出ていないか、皮ふを突き抜けていないかを見ます。そのうえで番号を読み取り、きちんと入ったことを確かめます(同ガイドライン)。お風呂や散歩など、入れた後の過ごし方は、入れた動物病院の指示に従ってください。
まれに故障や
読めないチップもある
マイクロチップの故障は、まれにあります(世界小動物獣医師会)。また、海外で入れたチップのうち、国際規格(ISO)に合わないものは日本で読み取れません。米国など、ISO規格を採用していない国で入れた場合です。このチップは、日本の登録サイトにも登録できません(環境省ガイドライン)。チップが働いているかは、健康診断やワクチンのときに、動物病院で読み取ってもらえば確かめられます。番号が読めれば、そのまま使えます。
「住所変更届」と
「所有者変更登録」の違い
住所や電話番号が変わったときは無料の届出、飼い主が変わるときは400円の登録です。「変更登録が義務」とだけ聞くと、無料の届出まで有料だと思いやすいため、何が変わったかで手続きを選びましょう。

引っ越しなどは
無料の「変更届」
引っ越しで住所が変わった。電話番号が変わった。結婚などで名前が変わった。このように、飼い主は同じで登録した内容だけが変わるときは、無料の「変更届」を出します。登録サイトでは、飼い主の住所や名前、犬や猫を飼っている場所などを「登録事項」と呼んでいます。環境省の登録サイトでは、変更が生じてから30日以内に届け出るよう案内しています。手数料はかかりません。届出は、犬や猫の飼い主の手続一覧の「登録事項の確認・変更」から出せます。
飼い主が変わったら
400円の「変更登録」
ペットショップで買った、知人から譲り受けたなど、飼い主そのものが変わるときは「所有者の変更登録」をします。手数料はオンラインなら400円、用紙で申し込むと1,400円です。登録証明書をなくして再交付を受けるときは、オンラインで300円、用紙で1,300円かかります。どの手数料にも、消費税はかかりません。金額は環境省のマイクロチップ情報登録のページで確かめられます。変更登録が済むと、前の飼い主の登録証明書と暗証記号は使えなくなります。
マイクロチップ登録の
手順を画面で確認
手続きは、環境省の登録サイトにある犬や猫の飼い主の手続一覧から始め、自分の用事のボタンを押します。4つの手続きのうち、自分に当てはまる項目だけ読めば進められます。
入口は「飼い主の手続一覧」
手続一覧を開くと、用事ごとに5つのボタンが並んでいます。

- 所有者の変更登録:犬や猫を買った、譲り受けたとき
- マイクロチップ情報の登録:動物病院で新しく入れたとき
- 登録事項の確認・変更:住所や連絡先が変わったとき
- 登録証明書の再交付:登録証明書をなくしたとき
- 死亡等の届出:亡くなったとき、チップを取り外したとき
手続きの途中では、ブラウザの「戻る」ボタンや再読み込みを使わないでください。サイトの注意書きでは、手続きが終わらないなどの不具合が起きるとされています。
困ったときは、登録サイトのよくある質問で答えを探せます。
購入・譲渡は
「所有者の変更登録」
犬や猫を買った、譲り受けたときは「所有者の変更登録」を押します。最初の画面には、手元に用意するものが2つ出ています。マイクロチップの識別番号と、暗証記号です。どちらも、お店や前の飼い主から受け取る「登録証明書」に書いてあります。手数料は400円で、払い方はクレジットカードかPayPayです。手続きが終わると、新しい飼い主の登録証明書が発行されます。次の画面からは、自分の番号を入れて進みます。登録証明書が手元にないときは、先に前の飼い主から受け取りましょう。

住所変更は
「登録事項の確認・変更」
住所や電話番号が変わったときは「登録事項の確認・変更」を押します。用意するのは、所有者の変更登録と同じ識別番号と暗証記号の2つです。手数料はかかりません。飼い主に代わって申請書を出す人も、この手続きを使えます。手続きの途中で、登録したメールアドレスに本人確認の番号が届きます。「@mc.env.go.jp」からのメールを受け取れるよう、先にメールの受信設定を見直しておきましょう。飼い主そのものが変わるときは、手続一覧へ戻って所有者の変更登録を選びます。

新規登録①:情報を入力する
動物病院で新しく入れたときは「マイクロチップ情報の登録」を押し、入れてから30日以内に登録します。おたすけプラスで実際に、ダミーの情報を入れて支払いの手前まで進み、画面を確かめました。入力までは、次の5つの手順です。
手順1 「はじめにお読みください」を読む
用意するのは、装着証明書の画像(PDF・JPG・JPEG・PNG、5MB以内)と、手数料の400円です。

手順2 個人情報保護方針を読み、「確認しました」にチェックを入れる

手順3 15桁の識別番号を入れ、装着証明書の画像をアップロードする
証明書は、ピントを合わせて全体が写るように撮るかスキャンする。

手順4 飼い主の情報を入れる
個人か法人か、氏名とフリガナ、住所、電話番号、メールアドレス(2回)です。

手順5 犬や猫の情報を入れる
動物の種類、生年月日、性別は、後から変えられません。

生年月日の欄には、マイクロチップを入れた日ではなく、生まれた日を入れます。名前は後から無料で変えられます。
新規登録②:確認して支払う
入力が終わったら、内容を確かめて400円を払い、登録証明書をダウンロードすれば登録は終わりです。残りは次の4つの手順です。
手順6 入れた内容を確かめる
直すときは「修正する」を押す。

手順7 払い方を選ぶ
400円を、クレジットカードかPayPayで払う。

手順8 決済代行会社の別のサイトで払い、終わったら必ず「サイトに戻る」を押す
手順9 登録証明書をダウンロードして完了
登録証明書をダウンロードするまで、手続きは終わっていません。
証明書に書かれた暗証記号は、住所を変えるときや飼い主が変わるときに使うため、なくさないよう保管しましょう。
犬の場合は、住んでいる市区町村が狂犬病予防法の特例に参加していれば、この登録で犬の登録も申請したとみなされます。参加していない市区町村では、別に市区町村の窓口で犬の登録をします。参加しているかどうかは、環境省のマイクロチップ情報登録のページで確かめられます。
登録済みかは
トップページで番号を検索
すでに登録されているかは、登録サイトのトップページの検索欄で確かめられます。15桁の識別番号を入れて検索するだけで、ログインは要りません。「登録されていません」と出たときは、まだ登録されていない番号です。装着証明書があれば、マイクロチップ情報の登録へ進みます。トップページには、登録された頭数も出ています。2026年9月14日に見たときは、犬1,982,615頭、猫795,339頭でした。

2022年6月より前に、AIPOなど民間の団体に登録した子もいます。日本獣医師会は、この場合「基本的にはそのままで大丈夫です」と案内しています。新しい登録サイトへ移したい人だけ、日本獣医師会のマイクロチップのページの方法で申し込めます。
マイクロチップは
「見つける道具」ではない
マイクロチップに居場所を知らせる機能はなく、保護された先で読み取られて初めて連絡が来ます。チップを迷子の備えとして役立てるために、飼い主ができることを確かめましょう。
位置を追跡する機能はない
チップで位置は分からない━━入れる前に知っておきたい点です。マイクロチップは自分から電波を出さないため、GPSのように今いる場所を追うことはできません。迷子のワンちゃん・猫ちゃんが保護されたとします。動物病院や自治体の窓口で専用のリーダーを当てられたとき、初めて15桁の番号が分かります。その番号を登録の情報と照らし合わせて、ようやく飼い主様へ連絡が届きます。首輪の迷子札なら、見つけた人がその場で連絡先を読めます。マイクロチップは、リーダーのある場所まで運ばれて初めて役に立ちます。

情報が古いと連絡が来ない
登録して終わりではない━━せっかく保護されても、登録した電話番号が古いままだと、連絡は届きません。引っ越しや電話番号の変更のたびに、無料の変更届を出しておくことが、そのまま迷子の備えになります。届出は、犬や猫の飼い主の手続一覧の「登録事項の確認・変更」から、手数料なしで出せます。届出に要るのは、登録証明書に書かれた識別番号と暗証記号です。登録証明書は、すぐ出せる場所にしまっておきましょう。登録してから引っ越しをしたなら、この機会に登録の内容を見直しておきましょう。
まとめ:マイクロチップは
「備え」の一歩
マイクロチップは、迷子や災害のときに、ワンちゃん・猫ちゃんが飼い主様のもとへ戻るための備えです。義務か努力義務かは迎え方で決まり、手続きは環境省の登録サイトから自分で進められます。大切な点は次の3つです。
- 買った・譲り受けたなら、30日以内に所有者の変更登録(400円)が義務。前から飼っている子や保護した子は努力義務
- 住所や電話番号が変わったら、30日以内に無料の変更届を出す
- チップは位置を追う道具ではない。登録の情報を最新に保てば、保護されたときに連絡が届く
どの手続きも、犬や猫の飼い主の手続一覧から始められます。
もしもの日に慌てないよう、迷子になったときの動き方も今のうちに知っておくと安心です。【関連記事:迷子になったらまず何をすべきか はこちら】

